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概要

Unit 42のリサーチャーは2023年3月以降、脅威アクターが複数のIoTデバイスの脆弱性を利用し、Miraiボットネットの亜種を拡散していることを確認しています。エクスプロイトされていた脆弱性は以下の表の通りです。

CVE/製品 説明
CVE-2019-12725 Zeroshellのリモート コマンド実行の脆弱性
CVE-2019-17621 D-Link DIR-859のリモート コマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2019-20500 D-Link DWL-2600APのリモート コマンド 実行の脆弱性
CVE-2021-25296 Nagios XIのリモート コマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2021-46422 Telesquare SDT-CW3B1ルーターのコマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2022-27002 Arris TR3300のリモート コマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2022-29303 SolarView Compactのコマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2022-30023 Tenda HG9ルーターのコマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2022-30525 Zyxelのコマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2022-31499 Nortek Linear eMergeのコマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2022-37061 FLIR AX8の未認証のOSコマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2022-40005 Intelbras WiFiber 120 AC inMeshのコマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2022-45699 APsystems ECU-Rのリモート コマンド実行の脆弱性
CVE-2023-1389 TP-Link Archerルーターのコマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2023-25280 D-link DIR820LA1_FW105B03のコマンド インジェクションの脆弱性
CVE-2023-27240 Tenda AX3のコマンド インジェクションの脆弱性
CCTV/DVR CCTV/DVRのリモート コード実行
EnGenius EnShare EnGenius EnShareのリモート コード実行の脆弱性
MVPower DVR MVPower DVR シェルの未認証コマンド実行の脆弱性
Netgear DGN1000 Netgear DGN1000のリモート コード実行の脆弱性
Vacron NVR Vacron NVRのリモート コード実行の脆弱性
MediaTek WiMAX MediaTek WiMAXのリモート コード実行

脅威アクターは、侵害したデバイスを完全に制御下におき、それらのデバイスをボットネットに組み込む能力を持っています。これらのデバイスはその後、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃など、さらなる攻撃の実行に使用されます。

パロアルトネットワークスの次世代ファイアウォール製品をお使いのお客様は、IoT SecurityAdvanced Threat PreventionWildFireAdvanced URL Filteringなどのクラウド提供型セキュリティ サービスでエクスプロイト トラフィックやマルウェアを検出・ブロックすることによる保護を受けています。

関連するUnit 42のトピック IoT, Mirai, botnet

キャンペーンの分析

2023年3月14日、Unit 42のリサーチャーは、弊社脅威ハンティング システムから、185.44.81[.]114を発信元とするリモート コマンド実行のエクスプロイト トラフィックを確認しました。この脅威アクターは、シェル スクリプト ダウンローダーをyというファイル名でhxxp://zvub[.]us/からダウンロードしようとしていました。

実行されると、このシェル スクリプト ダウンローダーは、異なるLinuxアーキテクチャに対応するために、以下のボット クライアントをダウンロードして実行します。

  • hxxp://185.225.74[.]251/armv4l
  • hxxp://185.225.74[.]251/armv5l
  • hxxp://185.225.74[.]251/armv6l
  • hxxp://185.225.74[.]251/armv7l
  • hxxp://185.225.74[.]251/mips
  • hxxp://185.225.74[.]251/mipsel
  • hxxp://185.225.74[.]251/sh4
  • hxxp://185.225.74[.]251/x86_64
  • hxxp://185.225.74[.]251/i686
  • hxxp://185.225.74[.]251/i586
  • hxxp://185.225.74[.]251/arc
  • hxxp://185.225.74[.]251/m68k
  • hxxp://185.225.74[.]251/sparc

ボット クライアントを実行後、このシェル スクリプト ダウンローダーは、痕跡を消すためにクライアントの実行可能ファイルを削除します。

Unit 42のリサーチャーがマルウェアをホストしているドメインの分析を行ったところ、ドメインzvub[.]usには対応するIPアドレスが2つあることが判明しました。

  • 185.44.81[.]114 (2022年8月15日から2023年3月24日まで)
  • 185.225.74[.]251 (2023年3月25日以降)

過去に遡って徹底的な分析を行ったところ、2022年10月6日以降、185.44.81[.]114からのtelnetブルート フォース試行と、2023年3月14日以降の複数の脆弱性のエクスプロイト試行に気づきました。

Unit 42のリサーチャーはまた、2023年4月11日以降、IPアドレス193.32.162[.]189を発信元とする別のキャンペーンにも気付きました(図1)。このキャンペーンは、同じシェル スクリプト ダウンローダーをzvub[.]usから配信するものでした。分析の結果、以下の理由から、これら2つのキャンペーンは同一脅威アクターによるオペレーションと考えられます。

  • これら2つのキャンペーンは同一のインフラを共有している
  • ボットネットのサンプルがほぼ一致している
画像1は、2022年10月〜2023年5月の脆弱性とエクスプロイト試行のグラフです。最も多いのは2023年5月の924件で、次に多いのが2023年4月の821件です。
図1. 脆弱性のエクスプロイト試行数

図2にこのキャンペーンの概要を示します。

画像2はこのキャンペーンの概要のタイムラインです。攻撃元であるIPアドレスから始まって、新たなエクスプロイトを含むすべてのエクスプロイトが一覧になっています。期間は2022年8月中旬から2023年5月1日までです。
図2. キャンペーンの概要図

マルウェアの分析

ダウンロードされたボットネット クライアント サンプルの分析中、Unit 42のリサーチャーが観測した挙動やパターンからすると、このボットネット サンプルはMiraiボットネットの亜種と考えられます。

実行すると、このボットネット クライアントはコンソールにlistening tun0と表示します。またこのマルウェアは、同じデバイス上で実行される自身のマルウェア インスタンスを1つだけにする機能を持っています。ボットネット プロセスがすでに存在している場合、ボットネット クライアントは実行中のプロセスを終了させ、新たなプロセスを開始します。

ボットネット クライアントの構成用文字列についていえば、このMiraiの亜種は(IZ1H9V3G4と同様に)まず暗号化された文字列テーブルを初期化し、次にインデックスを介して文字列を取得します。ただし、この亜種は(図3に示したように)インデックスを介して.rodataセクションの暗号化された文字列に直接アクセスします。

画像3は、Mirai亜種が構成用の文字列を取得するようすを示したスクリーンショットです。赤い枠でハイライトしています。
図3. Mirai亜種が構成用文字列を取得しているところ

なお、IZ1H9V3G4といったMirai亜種の場合、構成にはこの亜種のブランチ名を示す文字列(たとえば/bin/busybox IZ1H9)が含まれていますが、この亜種にはブランチ名がない点にご注意ください。

構成の復号のために、このMirai亜種はまずテーブルの鍵0xDEADBEEFを使って1バイトの構成復号鍵0x22を生成し、次に暗号化された構成に対して、以下のバイト単位の演算でXOR復号を実行します:

encrypted_char ^ 0x22 = decrypted_char

分析中、Unit 42のリサーチャーは、このMiraiサンプルにはtelnet/SSHログイン クレデンシャルをブルート フォースして脆弱性をエクスプロイトする機能が含まれていないことに気づきました。つまりこの亜種の拡散用チャンネルは、ボットネット オペレーターの手動による脆弱性エクスプロイト試行のみということになります。

結論

いたるところでIoTデバイスの普及トレンドが続いていますが、これらのデバイスを取り巻くセキュリティへの根強い懸念は無視できないものとなっています。2016年に発見されたMiraiボットネットのアクティビティは現在もまだ見られます。脅威アクターがIoTデバイスをもてはやす大きな理由は、そのセキュリティ上の欠陥にあります。

IoTデバイスを標的とするこれらのリモート コード実行脆弱性は、悪用の容易さと影響度の大きさがあいまって脅威アクターにとっては魅力のある標的となっており、結果としてそれらの脅威からIoTデバイスを保護することが喫緊の課題となっています。

こうした脅威に対抗するため、可能なかぎりパッチやアップデートを適用することが強く推奨されます。

パロアルトネットワークスのお客様は、以下の製品とサービスにより、これらの脆弱性やマルウェアからの保護を受けています。

  • Threat Preventionサブスクリプションを有効にしている次世代ファイアウォールを、ベストプラクティスに従って設定している場合、Threat Preventionシグネチャー(30760, 37073, 37752, 54659, 54553, 54537, 54619, 58706, 57437, 55795, 57191, 90873, 92611, 93863, 92626, 92714, 93859, 92579, 93044, 93283, 93587, 93872, 93749, 93874, 93973)を介して攻撃を阻止できます。
  • Advanced Threat Preventionは、インライン機械学習ベースのセキュリティ検出機能を備え、エクスプロイト トラフィックをリアルタイムに検出できます。
  • WildFireは静的シグネチャー検出により同マルウェアを阻止します。
  • Advanced URL FilteringDNS Securityは、C2ドメインやマルウェアをホストしているURLをブロックできます。
  • 弊社のIoT Securityプラットフォームは、ネットワーク トラフィック情報を使って、デバイス ベンダー、モデル、ファームウェアのバージョンを特定し、前述のCVEに対して脆弱な特定デバイスを識別できます。
  • さらに、IoT Securityには機械学習ベースのアノマリー(異常)検知機能が組み込まれており、デバイスが以下のような平時と異なる挙動を示した場合にはユーザーにアラートが送られます。
    • 新たな接続元からの唐突なトラフィックの出現
    • 接続数の異常な多さ
    • IoTアプリケーションのペイロードによく見られる特定の属性の不可解な急増

パロアルトネットワークスは、ファイル サンプルやIoC(侵害指標)をふくむ調査結果をCyber Threat Alliance (CTA: サイバー脅威アライアンス)のメンバーと共有しました。CTA のメンバーはこのインテリジェンスを使って、お客様に保護を迅速に提供し、悪意のあるサイバー攻撃者を体系的に阻害できます。詳細についてはCyber Threat Allianceにてご確認ください。

IoC (侵害指標)

シェル スクリプト ダウンローダーのサンプル

  • 888f4a852642ce70197f77e213456ea2b3cfca4a592b94647827ca45adf2a5b8

Miraiのサンプル

  • b43a8a56c10ba17ddd6fa9a8ce10ab264c6495b82a38620e9d54d66ec8677b0c
  • b45142a2d59d16991a38ea0a112078a6ce42c9e2ee28a74fb2ce7e1edf15dce3
  • 366ddbaa36791cdb99cf7104b0914a258f0c373a94f6cf869f946c7799d5e2c6
  • 413e977ae7d359e2ea7fe32db73fa007ee97ee1e9e3c3f0b4163b100b3ec87c2
  • 2d0c8ab6c71743af8667c7318a6d8e16c144ace8df59a681a0a7d48affc05599
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  • 461f59a84ccb4805c4bbd37093df6e8791cdf1151b2746c46678dfe9f89ac79d
  • aed078d3e65b5ff4dd4067ae30da5f3a96c87ec23ec5be44fc85b543c179b777
  • 0d404a27c2f511ea7f4adb8aa150f787b2b1ff36c1b67923d6d1c90179033915
  • eca42235a41dbd60615d91d564c91933b9903af2ef3f8356ec4cfff2880a2f19
  • 3f427eda4d4e18fb192d585fca1490389a1b5f796f88e7ebf3eceec51018ef4d
  • aaf446e4e7bfc05a33c8d9e5acf56b1c7e95f2d919b98151ff2db327c333f089
  • 4f53eb7fbfa5b68cad3a0850b570cbbcb2d4864e62b5bf0492b54bde2bdbe44b

インフラ

  • zvub[.]us
  • 185.225.74[.]251
  • 185.44.81[.]114
  • 193.32.162[.]189

追加リソース

付録

当該キャンペーンに関連する脆弱性情報を以下にまとめます。

CVE-2019-12725: Zeroshellのリモート コマンド実行の脆弱性

この悪意のあるトラフィックは2023年3月14日にキャンペーンの一部として初めて検出されました。このコマンド実行の脆弱性は、Zeroshellのkerbynetコンポーネントでx509typeの値を適切にサニタイズしていないことに起因します。

画像4は、Zeroshellのリモート コマンド実行の脆弱性のスクリーンショットです。ホスト名は伏せられています。
図4. 野生で観測されたCVE-2019-12725のエクスプロイト

CVE-2019-17621: D-Link DIR-859のリモート コマンド インジェクションの脆弱性

このエクスプロイトのトラフィックは2023年5月1日に捕捉されました。このエクスプロイトはD-Linkのワイヤレス ルーターの/gena.cgiコンポーネントに存在するコマンド インジェクションの脆弱性を標的とします。このコンポーネントは、serviceパラメーターのユーザー入力を適切にサニタイズしていません。この結果、任意のコマンドを実行可能になります。

画像5は、D-Link DIR-859のリモート コマンド インジェクションの脆弱性を示すスクリーンショットです。ホスト名は伏せてありまます。
図5. 野生で観測されたCVE-2019-17621のエクスプロイト

CVE-2019-20500: D-Link DWL-2600APのリモート コマンド実行の脆弱性

このエクスプロイトは2023年4月11日に検出されました。D-Linkのワイヤレス ルーターのadmin.cgiコンポーネントは、ユーザーからの入力データを適切にサニタイズしておらず、それが原因でリモート コマンド実行につながる可能性があります。

画像6は、D-Link DWL-2600APのリモート コマンド実行の脆弱性のスクリーンショットです。ホスト名は伏せてありまます。このエクスプロイトにより、リモート コマンド実行の可能性があります。
図6. 野生で観測されたCVE-2019-20500のエクスプロイト

CVE-2021-25296: Nagios XIのリモート コマンド インジェクションの脆弱性

このエクスプロイトのトラフィックは2023年4月11日に観測されました。このエクスプロイトは、Nagios XIデバイスの/nagiosxi/config/monitoringwizard.phpコンポーネントを標的とします。入力検証が不十分であることがわかった場合、攻撃者はこの脆弱性のエクスプロイトによりリモート コマンド インジェクション攻撃をしかけられます。

画像7は、Nagios XIのリモート コマンド インジェクション脆弱性のスクリーンショットです。ホスト名は伏せてありまます。このスクリーンショットはエクスプロイト トラフィックのものです。
図7 野生で観測されたCVE-2021-25296のエクスプロイト

CVE-2021-46422: Telesquare SDT-CW3B1ルーターのコマンド インジェクションの脆弱性

この悪質なトラフィックは2023年3月14日に初めて検出されました。Telesquareルーターのcgi-bin/admin.cgiインターフェイスにおけるcmdパラメーターの値は適切にサニタイズされておらず、これが原因でコマンド インジェクションの脆弱性が生じます。

画像8は、Telesquare SDT-CW3B1ルーターのコマンド インジェクション脆弱性のスクリーンショットです。この図は悪質なトラフィックのスクリーンショットで、ホスト名は伏せてあります。重要な個所はcgi-binのコマンド パラメーターです。
図8. 野生で観測されたCVE-2021-46422のエクスプロイト

CVE-2022-27002: Arris TR3300のリモート コマンド インジェクションの脆弱性

このエクスプロイトのトラフィックは2023年4月14日に捕捉されました。このエクスプロイトはArris TR3300のuser.cgiコンポーネントに存在するコマンド インジェクションの脆弱性を標的とします。このコンポーネントは、DDNS_HOSTパラメーターのユーザー入力を適切にサニタイズしていません。これがコマンド インジェクションにつながります。

画像9は、Arris TR3300のリモート コマンド インジェクション脆弱性のエクスプロイト トラフィックのスクリーンショットです。ホスト名は伏せてありまます。影響を受ける部分はuser.cgiコンポーネントの一部です。
図9. 野生で観測されたCVE-2022-27002のエクスプロイト

CVE-2022-29303: SolarView Compactのコマンド インジェクションの脆弱性

このエクスプロイトは2023年3月15日に検出されました。SolarView Compactのconfi_mail.phpコンポーネントはユーザーからの入力データを適切にサニタイズしておらず、それが原因でコマンド インジェクションにつながる可能性があります。

画像10は、SolarView Compactのコマンド インジェクション脆弱性のスクリーンショットです。Host、Origin、Refererはすべて伏せてあります。
図10. 野生で観測されたCVE-2022-29303のエクスプロイト

CVE-2022-30023: Tenda HG9 ルーターのコマンド インジェクションの脆弱性

このエクスプロイトのトラフィックは2023年3月14日に観測されました。このエクスプロイトはTenda HG9ルーターの/boaform/formPingコンポーネントを標的にしています。入力検証が不十分であることがわかった場合、攻撃者はこの脆弱性のエクスプロイトによりリモート コード実行攻撃をしかけられます。

画像11は、Tenda HG9ルーターのコマンド インジェクション脆弱性のスクリーンショットです。ホスト名は伏せてありまます。このスクリーンショットはエクスプロイト トラフィックのものです。
図11 野生で観測されたCVE-2022-30023のエクスプロイト

CVE-2022-30525: Zyxelのコマンド インジェクションの脆弱性

この悪質なトラフィックは2023年3月14日に初めて検出されました。Zyxelの/cgi-bin/handlerインターフェイスにおけるmtuパラメーターの値は適切にサニタイズされておらず、これが原因でコマンド インジェクションの脆弱性が生じます。

画像12は、Zyxelのコマンド インジェクション脆弱性のスクリーンショットです。ホスト名は伏せてありまます。影響を受ける場所はcgi-binのmtgパラメーターです。
図12. 野生で観測されたCVE-2022-30525のエクスプロイト

CVE-2022-31499: Nortek Linear eMergeのコマンド インジェクションの脆弱性

このエクスプロイトのトラフィックは2023年5月1日に捕捉されました。このエクスプロイトはNortek Linear eMergeデバイスのcard_scan.phpコンポーネントに存在するコマンド インジェクションの脆弱性を標的とします。このコンポーネントは、ReaderNoパラメーターのユーザー入力を適切にサニタイズしていません。これがリモート コマンド インジェクションにつながります。

画像13はNortek Linear eMergeのコマンド インジェクション脆弱性のスクリーンショットです。ホスト名は伏せてありまます。この悪用はPHPコードに影響します。
図13. 野生で観測されたCVE-2022-31499のエクスプロイト

CVE-2022-37061: FLIR AX8 の未認証OSコマンド インジェクションの脆弱性

このエクスプロイトは2023年5月1日に検出されました。FLIR AX8デバイスのres.phpコンポーネントはユーザーからの入力データを適切にサニタイズしておらず、これがOSコマンド インジェクションにつながることによって機能します。

画像14はFLIR AX8の未認証OSコマンド インジェクションの脆弱性のスクリーンショットです。ホスト名は伏せてありまます。
図14 野生で観測されたCVE-2022-37061のエクスプロイト

CVE-2022-40005: Intelbras WiFiber 120AC inMeshのコマンド インジェクションの脆弱性

このエクスプロイトのトラフィックは2023年3月15日に観測されました。このエクスプロイトは、Intelbras WiFiberデバイスの/boaform/formPing6コンポーネントを標的とします。入力検証が不十分であることがわかった場合、攻撃者はこの脆弱性のエクスプロイトによりコマンド インジェクション攻撃をしかけられます。

画像15は、Intelbras WiFiber 120AC inMeshのコマンド インジェクションの脆弱性のスクリーンショットです。この図はエクスプロイト トラフィックのスクリーンショットで、ホスト名は伏せてあります。
図15. 野生で観測されたCVE-2022-40005のエクスプロイト

CVE-2022-45699: APsystems ECU-Rのリモート コマンド実行の脆弱性

この悪質なトラフィックは2023年4月12日に初めて検出されました。このリモート コマンド実行の脆弱性は、/management/set_timezonetimezoneパラメーターの値を適切にサニタイズしていないことに起因しています。

画像16は、APsystems ECU-Rのリモート コマンド実行の脆弱性のスクリーンショットです。この図は悪質なトラフィックのスクリーンショットで、ホスト名は伏せてあります。
図16. 野生で観測されたCVE-2022-45699のエクスプロイト

CVE-2023-1389: TP-Link Archer ルーターのコマンド インジェクションの脆弱性

このエクスプロイトのトラフィックは2023年4月12日に捕捉されました。このエクスプロイトはTP-Link Archerルーターのcgi-bin/luciコンポーネントに存在するコマンド インジェクションの脆弱性を標的とします。このコンポーネントは、countryパラメーターのユーザー入力を適切にサニタイズしていません。この結果、任意のコマンドを実行可能になります。

画像17は、TP-Link Archerのコマンド インジェクション脆弱性のエクスプロイト トラフィックのスクリーンショットで、ホスト名は伏せてあります。
図17. 野生のCVE-2023-1389のエクスプロイト

CVE-2023-25280: D-Link DIR820LA1_FW105B03のコマンド インジェクションの脆弱性

このエクスプロイトは2023年4月11日に検出されました。D-Linkデバイスの/ping.ccpコンポーネントはユーザーからの入力データを適切にサニタイズしておらず、これがコマンド インジェクションの脆弱性につながることで機能します。

画像18は、D-Link DIR820LA1_FW105B03のコマンド インジェクションの脆弱性のスクリーンショットです。このスクリーンショットでは、Host、Origin、Referrerを伏せています。
図18. 野生のCVE-2023-25280のエクスプロイト

CVE-2023-27076: Tenda AX3のコマンド インジェクションの脆弱性

このエクスプロイトのトラフィックは2023年4月12日に観測されました。このエクスプロイトはTenda AX3ルーターの/goform/AdvSetLanipコンポーネントを標的にしています。入力検証が不十分であることがわかった場合、攻撃者はこの脆弱性のエクスプロイトによりリモート コマンド インジェクション攻撃をしかけられます。

画像19は、Tenda AX3のコマンド インジェクション脆弱性のスクリーンショットです。エクスプロイト トラフィック内のホスト名は伏せてあります。
図19 野生のCVE-2023-27240のエクスプロイト

CCTV/DVRのリモート コード実行

このエクスプロイトのトラフィックは2023年3月14日に検出されました。このエクスプロイトは複数のCCTV/DVRデバイスの/languageコンポーネントにおけるリモート コード実行を標的とします。このコンポーネントはHTTPパラメーターの値を適切にサニタイズしていません。

画像20はCCTV/DVRリモート コード実行のスクリーンショットです。エクスプロイト トラフィック内のホスト名は伏せてあります。このエクスプロイトは/languageを標的にします。
図20. 野生で観測されたCCTV/DVRのエクスプロイト

EnGenius EnShareのリモート コード実行の脆弱性

このエクスプロイトのトラフィックは2023年4月12日に検出されました。このエクスプロイトは、EnGenius EnShareデバイスの/cgi-bin/usbinteract.cgiコンポーネントが、HTTPパラメーターpathの値を適切にサニタイズしていないことが原因で機能します。

画像21は、EnGenius EnShareのエクスプロイト トラフィックのスクリーンショットです。
図21. 野生で観測されたEnGenius Enshareのエクスプロイト

MVPower DVR シェルの未認証コマンド実行の脆弱性

この悪意のあるトラフィックは2023年4月11日に捕捉されました。このエクスプロイトは、MVPower DVRがユーザー入力を適切にサニタイズしておらず、それがリモート コマンド実行につながることによって機能します。

画像22は、MVPower DVR Shellの未認証コマンド実行の脆弱性のスクリーンショットです。ホスト名は伏せてありまます。
図22. 野生で観測されたMVPower DVRのエクスプロイト

Netgear DGN1000のリモート コード実行の脆弱性

このエクスプロイトのトラフィックは2023年3月14日に補足されました。このエクスプロイトは、Netgear DGN1000のsetup.cgiコンポーネントを標的にしています。このコンポーネントは、HTTPパラメーターcmdの値を適切にサニタイズしておらず、それがリモート コード実行につながります。

画像23は、Netgear DGN1000をエクスプロイトするコマンド コード実行脆弱性のスクリーンショットです。スクリーンショット内のホスト名は伏せてありまます。
図23. 野生で観測されたNetgearのエクスプロイト

Vacron NVRのリモート コード実行の脆弱性

このエクスプロイトのトラフィックは2023年3月14日に観測されました。このエクスプロイトは、Vacron NVRデバイスのboard.cgiコンポーネントを標的とします。入力検証が不十分であることがわかった場合、攻撃者はこの脆弱性のエクスプロイトによりリモート コマンド実行攻撃をしかけられます。

画像24は、Vacron NVRのリモート コード実行脆弱性のスクリーンショットです。スクリーンショット内のホスト名は伏せてありまます。
図24. 野生で観測されたVacron NVRのエクスプロイト

MediaTek WiMAXのリモート コード実行

このエクスプロイトのトラフィックは2023年4月12日にあるキャンペーンの一部として初めて検出されました。このリモート コード実行の脆弱性は、MediaTek WiMAX デバイスのuser.cgiインターフェイスに存在するSYSLOGD_REMOTE_HOSTパラメーターの値のサニタイズが適切に行われていないことによるものです。

画像25は、MediaTek WiMAXのリモート コード実行のスクリーンショットです。
図25 野生で観測されたMediaTek WiMAXのエクスプロイト
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